波濤短歌会● 第30回 波濤誌上全国大会
● 今年も未だコロナ禍収まらず、相変わらず集会は開けず誌上大会となりました。
- ● 互選賞・参加者全員に依って無記名の詠草集から互選され獲得点数の上位６名に授与される。
- ● 奨励賞・獲得点数に拘泥せず、事務局・選者に依り授与される。
- ● 互選賞作品＜1～6位＞
- ● 1位 太極拳にゆつたり上げる両の手に朝の青田の風をかかへる 東海林なをみ
- ● 2位 最後まで望まれず残るひとりありてさみしき遊び花いちもんめ 小野徳子
- ● 3位 ビルの中にビルを孕みてゐるごとく向かひのビルに映る夕暮 采女勝子
- ● 4位 湧き出でて金色に舞ふアキアカネ入り日の畑に鍬の手を止む 福岡武宏
- ● 5位 故郷を合唱すれば幾つものふるさとの見ゆデイサービスに 三条 純
- ● 6位 百歳に近づきつつも健やかにみかん山鋤(す)く感謝を込めて 長澤重代
- ● 奨励賞作品＜1～6位＞
- ● 1位 草取り派と除草剤派の口論も夫逝きて吾は今日も草を取る 向山よね子
- ● 2位 「先に寝る」と声かけくれし人も無くそろそろ寝るか己に告げる 阿部恵子
- ● 3位 母のノートは半紙を紙縒に綴じしもの日々の暮らしを丁寧な文字に 小野紀子
- ● 4位 夕食がけふも楽しいもしかしてしあはせの近くに居るかもしれぬ 松木富美子
- ● 5位 激戦ののちに相手の校歌聞く球児ら凛々し真っ直ぐに立つ 吉井ゆかり
- ● 6位 父の魂まこと帰りてをりしやと呟ける子と送り火を焚く 保原みつ子
選者紹介